不動産投資で融資が出やすい銀行はどこですか?|不動産投資100問100答(13)

筆者の不動産投資のコンサルタントとしての体験から、よくある質問に簡潔に答えていく「不動産投資100問100答」シリーズ。今回は第13回として、不動産投資の融資について取り上げます。

今回の質問は「不動産投資で融資が出やすい銀行はどこですか?」というものです。

これは皆さん気になるところですよね。同じ銀行でも短い期間で審査基準が変わったり、支店によってスタンスが変わったりします。

一口に不動産投資に積極的な銀行といっても、それぞれに好まれる物件が変わってくるので、自分が欲しい物件の種類によって銀行を選択することが重要です。今回はそのあたりを解説していきたいと思います。筆者が首都圏で活動しているので、どうしても情報が首都圏寄りになってしまいますが、その点はどうかご容赦ください。

ChatGPTのアドバイス 不動産投資の融資について教えてください

まずは不動産投資の融資に関して基本的なところをおさらいしたいと思います。まずは先入観なしに「ふわっとした質問」でChatGPT先生に聞いてみましょう。

「不動産投資の融資について教えてください」と聞いてみたところ、先生から以下のような回答がありました。うまく全体像をまとめてくれました。

不動産投資の融資は、不動産を購入する際に銀行や金融機関から借り入れる資金のことです。適切な融資を利用することで、自己資金を効率的に運用し、より大きな物件や複数の物件に投資することが可能になります。以下に、不動産投資の融資に関する基本的なポイントをまとめます。

1. 融資の種類

アパートローン:
対象: 投資用の一棟アパートやマンション。
特徴: 投資専用ローンで、返済期間が比較的長く、金利も比較的低い。

プロパーローン:
対象: 銀行が独自に設定する融資商品で、主に事業用不動産。
特徴: 条件や金利が柔軟で、物件ごとに異なるが、審査が厳しい場合が多い。

リバースモーゲージローン:
対象: 主に高齢者が対象で、自宅を担保に生活資金や投資資金を借りる。
特徴: 担保となる不動産の価値に応じて融資額が決まる。

2. 融資の審査基準

収入: 年収や収入の安定性が重要視されます。投資家の年収が高いほど、有利な条件で融資を受けやすくなります。

信用力: クレジットスコアや信用履歴も重要な審査項目です。過去にローンの返済遅延や債務不履行がないか確認されます。

自己資金: 頭金の割合や自己資金の有無も審査に影響します。自己資金が多いほど、融資の条件が有利になります。

物件の収益性: 物件のキャッシュフローや賃貸需要、立地条件なども評価されます。収益性が高い物件ほど融資を受けやすいです。

担保評価: 融資を受ける物件の担保価値も重要です。担保価値が高い物件ほど、多くの融資を受けられる可能性があります。

3. 融資の金利

固定金利: 借入期間中の金利が一定で、返済計画が立てやすいですが、市場金利が下がった場合でも金利が変わりません。

変動金利: 市場金利に応じて金利が変動します。市場金利が下がると返済額が減少しますが、上昇すると返済額が増加します。

4. 融資の返済方法

元利均等返済: 毎月の返済額(元金+利息)が一定で、返済計画が立てやすいですが、元金の減りが遅い。

元金均等返済: 毎月の元金返済額が一定で、返済初期の負担が大きいですが、利息負担が減少します。

5. 融資の手続き

1.融資相談・申込: 不動産会社や金融機関に融資の相談を行い、申込をします。必要書類(収入証明、物件資料など)を提出します。

2.審査: 金融機関が申込者の信用力、収入、物件の収益性などを審査します。

3.融資承認・契約: 審査が通ると、融資が承認され、融資契約を締結します。

4.融資実行: 契約締結後、融資金が振り込まれます。物件の購入代金に充てられます。

6. リスク管理

返済計画の立案: 長期的な返済計画を立て、無理のない返済額を設定します。収入や支出のバランスを考慮します。

金利リスクの管理: 変動金利の場合、金利上昇リスクに備えるためのシミュレーションを行います。固定金利への切り替えも検討します。

キャッシュフロー管理: 賃貸収入や運営費用を管理し、キャッシュフローの健全性を保ちます。予期せぬ出費に備えて、予備資金を確保します。

まとめ

不動産投資の融資を成功させるためには、適切な融資商品を選び、しっかりとした資金計画を立てることが重要です。収益性の高い物件を選定し、信用力を維持することで、有利な融資条件を引き出すことが可能です。リスク管理を徹底し、長期的な視野で安定した不動産投資を目指しましょう。

流石はChatGPT先生、過不足なく全体を説明してくれました。全く知識がない人も、大まかに全体像を理解することが出来るでしょう。

さらにChatGPTに聞いてみた「不動産投資で融資が出やすい銀行はどこですか?」

次に、いよいよ本番。ChatGPT先生に融資が出やすい銀行について聞いてみます。どんな答えが来るか、筆者も楽しみです。回答は以下のとおりでした。

不動産投資において融資が出やすい銀行は、投資家の信用力、投資先の物件の特性、融資の目的などにより異なります。以下に、日本の不動産投資で特に融資が出やすいとされる銀行を紹介します。これらの銀行は不動産投資家向けの融資商品を積極的に提供しており、特にアパートローンやプロパーローンなどを取り扱っています。

1. 三井住友信託銀行

特徴: 不動産投資向け融資に積極的で、大口融資にも対応しています。投資家の信用力と物件の収益性を重視します。
主な商品: アパートローン、マンションローン

2. りそな銀行

特徴: 不動産投資向け融資に特化した商品が豊富で、初心者からベテランまで対応しています。審査が比較的柔軟で、融資条件も多様です。
主な商品: アパートローン、プロパーローン

3. スルガ銀行

特徴: 不動産投資に対する積極的な融資姿勢が特徴で、特に個人投資家向けの融資が出やすいです。フルローン(自己資金ゼロでの融資)も可能な場合があります。
主な商品: アパートローン、フルローン

4. オリックス銀行

特徴: 投資用不動産向けのローンが充実しており、審査も比較的スピーディーです。特に事業規模の大きな投資家に対しても融資を行っています。
主な商品: 投資用不動産ローン

5. 日本政策金融公庫

特徴: 政府系金融機関であり、低金利での融資が特徴です。初めての不動産投資家にも融資を行うことが多いです。
主な商品: 不動産投資向け融資、住宅ローン

6. 楽天銀行

特徴: オンライン手続きが可能で、スピーディーな融資審査が特徴です。ネット銀行ならではの利便性があり、投資用不動産ローンを取り扱っています。
主な商品: 投資用不動産ローン

7. 地方銀行

特徴: 地域密着型のサービスが特徴で、特定の地域の不動産に強みがあります。地域によっては地方銀行が最も有利な条件を提供することがあります。
主な商品: 地域密着型のアパートローンやプロパーローン

8. 信用金庫・信用組合

特徴: 小規模な融資に強みがあり、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能です。個人投資家に対しても親身に対応することが多いです。
主な商品: アパートローン、マンションローン

注意点とアドバイス

事前相談: 各銀行に事前相談を行い、自分の投資計画や物件情報を提供し、融資の可能性を確認することが重要です。

複数の銀行に当たる: 一つの銀行に固執せず、複数の銀行にアプローチすることで、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。

専門家の利用: 不動産投資の専門家や金融アドバイザーに相談し、最適な融資先を選定することをおすすめします。

不動産投資での融資は、個々の状況により適した銀行が異なります。自身の投資目的や条件に最も合った銀行を見つけるために、慎重にリサーチし、必要な準備を行うことが成功への鍵です。

以上がChatGPT先生からのアドバイスでした。なるほどと思う反面、「?」と思う部分もありましたので、ここで挙がった金融機関について、筆者の経験上からコメントを付けていきたいと思います。

三井住友信託銀行

これはちょっと意外でした。一番目に出てきた三井住友信託ですが、実は筆者はあまり接点がありません。たしかに信託銀行は不動産の専門家です。他の金融機関よりも専門部隊も多く抱えており、様々なサービスを提供できると思いますが、基本的にお金持ち相手です。一般の個人投資家ではちょっと相手にならないと思います。

ちなみに、三井住友信託銀行系列の三井住友トラストローン&ファイナンスであれば分かります。

こちらは、もっと一般人に門戸を広げて不動産投資家へ融資してくれます。金利は低くないですが、対応エリアが広く、審査スピードが速いうえに、築古物件や難あり物件にも比較的寛容に審査してくれる稀有な存在です。ただし、自宅の共同担保が必須となるため、まだ自宅を持っていない人には不向きです。

りそな銀行

りそな銀行も基本的にはお金持ちが相手です。以前から、都銀の中では不動産投資に積極的に融資してくれる印象があります。

ちなみに、りそな銀行は特に資産バランスが大事です。物件を買った後に、金融資産が5000万円以上残っていることが足切りラインです。物件を購入する際には、どうしても初期費用を先出しする必要がありますが、初期費用を出した後に5000万円を残すには、始めに7000万~8000万くらいの金融資産がないと無理です。

逆に、資産背景があればある程度融通が利きやすいところもあります。年収よりも資産背景重視です。金利も低いので、使えならば筆者としてはお勧めしたい銀行さんです。

スルガ銀行

以前のスルガ銀行は不動産投資に最も積極的に融資をしてくれた銀行でしたが、周知のとおり不正融資問題が起こり、審査がかなり厳格化されました。おそらく、この10年で最も変わった銀行だと思います。

それでも一般的な銀行さんに比べて相談に乗ってくれやすいのですが、間に入る仲介業者さんの信用度によっては門前払いになってしまうこともあります。結構手広く商売している不動産業者さんの物件でも取り扱いNGだったので、本当に厳しくなったと思います。

上場企業あるいは財閥系の仲介業者さんを介して物件を買うのであれば相談可能だと思います。そこさえクリアすれば、金利や融資期間などの条件面も悪くない水準だと思います。

オリックス銀行

木造系のアパートに積極的に融資している銀行さんです。年収目安は700万円以上。アパートローンで言えば、一番取り組みやすい銀行だと思います。

ただし、融資額は年収の10倍くらいまでが上限となるため、小規模なアパートの検討が中心になると思います。手頃な価格帯の築浅アパートを買いたいと思った時に使い勝手のよい銀行です。

余談ですが、筆者は築浅物件の出口を考えるときに、次の買い手がオリックス銀行で買った場合の想定を考えています。これは、木造への融資期間が長めであることが要因です。

5. 日本政策金融公庫

金利も低く、築古物件にも融資してくれるのですが、基本的に融資期間10年程度、自己資金が多めに必要です。あとは、それほど多額の融資は難しいです。小粒のものを買い増していくのに適していると思っています。

融資対象ですが、区分マンション(ワンルームなど)を買う時にも使われますが、筆者の感覚ですと、どちらかというと土地値で売られている築古物件をキャッシュ多めで買う時に使うイメージです。他の金融機関で融資の出にくい物件でも検討出来る可能性があります。

楽天銀行

正直なところ、あまりアパートローンのイメージがありません。プロパーローンはもっとイメージがありません。

筆者が聞いているのは、不動産業者との提携ローンで、特に首都圏のワンルームアパートなどに融資をつけてくれる印象があります。(ジャックスなどが保証についている融資)

ただ、その場合は当該不動産業者さんが売主である物件に限られるので、その他の物件を独自に持ち込むのは基本的に難しいと思います。ワンルームマンション投資を考えている人であれば、おそらく情報が入ってくると思います。

ソニー銀行やイオン銀行、住信SBIネット銀行などもおそらく似たような感じだと思います。

地方銀行

地方銀行は、筆者のクライアントが最もお世話になっている銀行さんです。物件を買う時に法人を設立して、法人名義でプロパ―ローンを受けています。

筆者のクライアントは首都圏にいらっしゃる方がほとんどなので、横浜銀行、千葉銀行、東日本銀行、きらぼし銀行、あたりが多いです。新築木造、中古RCなど、相談したケースは様々です。金利もある程度低く抑えられています。

ちなみに、筆者は地銀で融資を受けられることが、不動産投資をやってもよい条件だと思っています。年収あるいは資産背景などの理由で、地銀で融資を受けられない方々に関しては、無理に不動産投資をする必要はないと思っています。

信用金庫・信用組合

信金・信組は地場の中小企業を支えるのが本来の使命なので、本音を言えば不動産投資向きの金融機関ではありません。信金・信組は金利が高くなるほか、エリアの縛りも強いので地銀などよりも条件が厳しくなるのが一般的です。

ただ、西武信用金庫など、一部の信金・信組は不動産投資に寛容なこともあります。もちろん顧客の属性が良いことが前提となりますが、普通の地銀では思いがけない条件で融資を実行してくれることがあります。自己資金は多めに必要ですが、地元の築古物件の購入などには相談に乗ってくれるかもしれません。

自分が住んでいるところの近くの物件を購入するときは、地元の信金・信組に相談してみるのもよいと思います。

総括 不動産投資で融資が出やすい銀行はどこですか?

あくまでの筆者の独断と偏見だが、投資したい物件によって選ぶ金融機関は違ってくる。さらに、年収・資産背景によって、より有利な物件を選ぶのがポイント。

区分ワンルームマンションを買いたい場合

ジャックスなどの保証がついた楽天銀行、ソニー銀行、イオン銀行、住信SBIネット銀行

小規模アパートを買いたい場合

オリックス銀行(年収700万円以上)

1億以上の物件(新築一棟アパート、中古RCなど)を買いたい場合

地銀(年収1000万円くらいは必要)

金融資産が結構ある人(物件購入後5000万円キープ)の場合

りそな銀行

築古物件を買いたい場合

日本政策金融公庫、三井住友トラストローン&ファイナンス

癖あり物件(道路付けなど)を買いたい場合

三井住友トラストローン&ファイナンス(自宅の共同担保必須)

【参考記事】【新築vs中古】不動産投資でおススメなのはどっちか!?

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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。