不動産投資で失敗する原因って何ですか?|不動産投資100問100答(14)

筆者の不動産投資のコンサルタントとしての体験から、よくある質問に簡潔に答えていく「不動産投資100問100答」シリーズ。今回は第14回として、不動産投資の失敗について取り上げます。

今回の質問は「不動産投資で失敗する原因って何ですか?」というものです。筆者はクライアントの相談を受けながら多くの失敗例を見てきました。

不動産投資の失敗原因というのはいくつかパターンがあります。そこで今回は、筆者の体験した事例を交えながら不動産投資の失敗原因を解説していきたいと思います。

目次

ChatGPTのアドバイス 不動産投資で失敗する原因って何ですか?

まずはいつものように、ChatGPT先生に「不動産投資の失敗」ついて聞いてみましょう。先生から回答は以下の通りです。

不動産投資において、成功するためにはリスク管理が重要です。不適切な計画や判断ミスが失敗の原因となり得ます。以下に、不動産投資で失敗する一般的な原因と、それを回避するための対策を紹介します。

1. 市場調査の不足

原因:
地域の賃貸需要や供給、経済状況を十分に調査せずに投資することで、空室リスクや低賃料に悩まされる。
対策:
徹底した市場調査: 投資先の地域の人口動態、経済状況、賃貸需要、競合物件などを詳細に調査します。
専門家の意見を聞く: 不動産エージェントや地元の専門家の意見を参考にする。

2. 過剰な借入

原因:
収益計画を過信し、返済能力を超える借入を行うことで、金利上昇や収益減少時に返済が困難になる。
対策:
保守的な借入計画: 現実的な収支シミュレーションを行い、無理のない借入額を設定します。
リスク分散: 複数の物件や地域に投資することで、リスクを分散させる。

3. キャッシュフロー管理の失敗

原因:
修繕費用や管理費用を見積もりから漏らし、予期せぬ出費が発生してキャッシュフローがマイナスになる。
対策:
詳細な費用見積もり: 購入前に物件の修繕履歴や管理費用を詳細に確認し、十分な予備費を計上します。
定期的なメンテナンス: 計画的なメンテナンスを実施し、大きな修繕費用を事前に防ぐ。

4. 立地の見極め失敗

原因:
魅力のない立地や将来的に価値が下がるエリアに投資してしまうことで、資産価値の下落や賃貸需要の減少に直面する。
対策:
将来性のある立地を選ぶ: 現在の人気エリアだけでなく、将来的な発展が期待できる地域に注目します。
インフラ整備計画の確認: 地域のインフラ整備計画や再開発計画を確認し、価値向上が見込めるエリアを選定する。

5. 賃貸管理の不備

原因:
賃貸管理が不適切なため、入居者の満足度が低下し、空室が発生しやすくなる。
対策:
信頼できる管理会社の選定: 実績のある管理会社に委託し、入居者対応やメンテナンスを適切に行う。
定期的な入居者対応: 入居者とのコミュニケーションを大切にし、迅速な対応を心がける。

6. 法的問題への対応不足

原因:
法令違反や契約の不備などによる法的トラブルに巻き込まれることで、予期せぬ出費や投資計画の破綻を招く。
対策:
法令遵守: 不動産関連の法令や規制を熟知し、適切な手続きを行う。
専門家の活用: 弁護士や税理士などの専門家に相談し、法的リスクを最小限に抑える。

7. 過大なリノベーション費用

原因:
リノベーション費用が予算を超過し、収益が計画通りに上がらない。
対策:
事前の詳細見積もり: リノベーションの費用を事前に詳細に見積もり、予算管理を徹底する。
費用対効果の分析: リノベーションの内容と費用対効果を慎重に検討する。

まとめ

不動産投資の成功には、綿密な計画とリスク管理が不可欠です。市場調査を徹底し、現実的な収支計画を立て、法令を遵守することで、リスクを最小限に抑え、安定した収益を目指しましょう。また、専門家の意見を積極的に取り入れ、長期的な視野で投資を進めることが重要です。

さすがはChatGPT先生、きれいに体系立てて説明してくれました。全く知識がない人も、大まかに不動産投資の失敗について全体像を理解することが出来るでしょう。

ただ、具体的にどういうことか、この記載だけだとイメージを持ちにくいのがネックだと思います。せっかくAIに体系的に整理してもらったので、それに沿って筆者の経験を踏まえてコメントを補足していきます。

不動産投資の失敗原因 1. 市場調査の不足

筆者の周りでは、市場調査を怠って失敗した人はそれほど多くありません。これは、筆者が賃貸ニーズの多い首都圏で活動していることもあると思います。首都圏は比較的賃貸ニーズは堅調なので、そこまで極端に低い稼働率となることは稀です。

それから、筆者のまわりのオーナーさん達は意外とみんな慎重です。丹念に情報を調べて現地に足を運んで、しっかりエリア選びをしています。そのため、一時的に空室が続くことはありましたが、常に空室だらけという物件はほとんどありません。

地主さんの土地活用 賃貸ニーズの薄い立地は要注意

「市場調査の失敗」という観点ですと、新規の不動産投資家さんよりも地主さんの土地活用の方が失敗例が多いような気がします。筆者が昔に相談を受けた地主さん達は結構な割合で空室と資金繰りに困っていました。

①既存の立地に縛られる

地主さんは元々持っている土地に縛られます。たとえその立地の賃貸ニーズが弱くても立地を替えることが出来ません。資産の組み換え(持っている土地を売って、他の資産を買うこと)が出来ればよいのですが、地主さんの多くは土地の売却を嫌がる傾向があります。

そんな状況なので、賃貸ニーズの弱い立地で有効活用を進めることになるのですが、よりにもよって、そこに建築費のバカ高い立派な鉄筋コンクリートのマンションをドンと建ててしまうから困ってしまいます。収益性も低いほか、空室率の高いのでキャッシュフローがひっ迫します。

②地主に不利なサブリース契約

市場調査の話から少し外れますが、地主さんの土地活用は大体が建設会社に紐づいた家賃保証(サブリース)とセットなので、管理・修繕もサブリース会社の指定する高い設備・修繕を要求されます。さらにサブリースを解約すると違約金が発生するので、おいそれと解約もできません。結構八方ふさがりです。後述の法的問題にも関係しますが、よくわからず契約すると落とし穴がありますので気を付けましょう。

専門家の参考意見について

「市場調査の失敗」への対策として、不動産エージェント(仲介業者)や地元の専門家に意見を聞くことが挙げられています。ただ、彼らの意見を鵜呑みにするのはいただけません。所詮は他人事なので「無難なこと」か「無責任なこと」を言われることも多いです。専門性(売買か賃貸か)が違うこともよくありますし、経験がないため適切なアドバイスを期待できるほどの知見を持っていないこともよくあります。

たとえば家賃設定についてアドバイスを求めると、ほとんどは低めに提示されます。高めに言って、後からクレームを付けられるのを嫌うからです。

不動産投資の失敗原因 2. 過剰な借入

次は「借入」に関するリスクです。ChatGPTは、金利上昇局面で返済が困難になる懸念を指摘しています。ただ、少なくとも筆者の周りの投資家さんではまだ問題が顕在化していません。これから金利が上がっていく展開になれば、徐々にこういう危険性が増えてくるかもしれません。

(参考記事)金利が上がりそうですが、不動産投資を始めて大丈夫?|不動産投資100問100答(6)

過剰借入・金利上昇よりも「物件選びの失敗」の方が深刻

ChatGPTは「過剰な借入→金利上昇→キャッシュフロー懸念」という論理構成でリスクを説明してくれましたが、これについては筆者は思うところがあります。

キャッシュフローで行き詰まる人というのは、たいてい過度な借入を行っている人ではなく、物件選びに失敗している人です。きちんとした物件を選んで買っている人は、多少金利が上がっても経営状態は揺るぎません。

オーバーローンやフルローンを組んで、かなりアグレッシブに不動産投資している投資家さんでも、筆者の周りではキャッシュフローに詰まっている人はいません。物件選びに成功しているからです。

繰り返しますが、キャッシュフローに困っている人の大半は、物件選びに失敗しています。過剰借入を警戒するよりも、物件選びに細心の注意を払うべきだと思います。

(参考)不動産投資は物件選びが重要!ダメ物件をつかまない選び方【3つのポイント】

不動産投資の失敗原因 3. 予期せぬ出費(突発的な修繕)

予期せぬ出費(突発的な修繕)が発生してキャッシュフローがマイナスになってしまう、というのがChatGPTの指摘です。突発的な修繕というと、水漏れ(雨漏りなど)による躯体損害、各種設備(エアコン・ガス給湯器・ポンプなど)の故障などです。

しかし、これはどんなに警戒していても避けることが難しいものです。たとえ購入前に修繕履歴などを確認しても故障や事故は起こるときには起こります。そのため、リスクヘッジもしくはスムーズな事後対応の準備をする方が重要です。

水漏れ損害については損害保険でリスクヘッジ、各種設備の修理・交換については、ある程度資金(十分な予備費)をプールしておくのが定石です。壊れる前に交換するのが理想かもしれませんが、収益的に言えば壊れた都度交換するのが現実的です。

修繕費の積立てについて

ちなみに、ある程度築古の中古物件を買うならば、今後かかるであろう修繕費用は織り込んで資金をプールしておく必要があります。もし資金の当てが無いのであれば、利回りは低くなりますが築浅物件を買う方が現実的です。予期せぬ出費を強いられるリスクは低くなります。

大規模修繕は?

筆者の周りのオーナーさんで、必要に迫られて大規模修繕を行った人は今のところいません。皆さん「もうそろそろかな」という気持ちのタイミングと、資金準備(節税を兼ねた共済や生命保険等の満期)の都合で行うことの方が多い印象です。

広告費の負担はキャッシュフローを圧迫する

あとは退去が続いた時、新規入居者を募集する際の広告費が痛いです。広告費として家賃2ヶ月分以上を要求されるようだと賃貸経営はかなり厳しくなります。1ヶ月分くらいにしたいものです。仮に2ヶ月以上を必要とするのであれば、思い切って家賃を下げたほうがましだと思います。

不動産投資の失敗原因 4. 立地の見極め失敗

次に失敗原因としてあげられたのが立地の見極め。資産価値や賃貸ニーズが下落するエリアに投資してしまった場合です。

これに関して言うと、将来的に価値が下がるエリアというのは、今でも過疎化が進んでいるエリアがほとんどなので、今でも値段は安いものです。正直な話、30年後の相場は筆者もわかりません。ただ、直近10年くらいまでであれば、ある程度の予測は出来ると思います。

ちなみに、以下の参考ページが直近10年の価格変動を分かりやすくまとめてくれていますので、ご参考として。

(参考)住宅情報館
『アベノミクスから10年。この10年の値動きから考える街選び』

それからChatGPTは、このリスクの対策として「将来的な価値向上を見込めるエリア」を狙うと言っています。しかし、インフラ整備計画や再開発計画を確認しても、それが公表される頃には価格は上がっています。大きなキャピタルゲインを得るのは難しいと思いますし、それこそ高値掴みする懸念もあります。それをできるのは、情報が入るのが早い権力者かお金持ちの方々です。

一般投資家ができるのは、明らかに下落が見込まれるエリアに投資しないことだと思います。価値が上がるエリアではなく、価値を維持できるエリアを選んでください。

土地有効活用で過剰な投資は要注意

前に出てきた「市場調査の失敗」とも重なりますが、立地の見極めという点でも地主さんの土地有効活用の方が失敗事例をよく目にしました。賃貸ニーズがそれほど強くない立地に対して、建築費の高い鉄筋コンクリートでマンションを建てるのは、その立地に対する投資としては不適当です。見極めに失敗していると言えるでしょう。

筆者が見てきた事例としては、元々畑として使っていた土地の有効活用で、駅からの距離、賃貸ニーズともに今一つの立地に、三棟もの鉄筋コンクリートマンションを一度に建築し、建設会社のサブリースを付けて運用していた事例が思い出されます。

元々利回りが低かったことに加え、築20年を迎えた頃には当初予定収支よりも大幅に家賃を下げられてしまい、キャッシュフローが枯渇している状況でした。さらに、住宅設備の老朽化・交換が発生し、キャッシュフローがマイナスになる月もありました。

これは、その立地に対する過剰な投資が原因であることは言うまでもありません。もし、どうしてもその立地を使う必要があるのであれば、建築費の低めな木造物件にしたり、ロードサイド型の店舗(広い駐車スペースのある飲食店・コンビニなど)など、過剰な投資にならないように留意して活用を検討すべきでした。

不動産投資の失敗原因 5. 賃貸管理の不備

ChatGPTは、賃貸物件の管理状態が悪くて入居率が下がってしまうことを失敗原因指摘しています。ただ、「賃貸管理の不備」が理由で入居者が退去するのは余程ひどい時です。もし管理会社が理由で退去が多いのであれば、即刻管理会社を替えるべきです。

ちなみに、退去理由の多くは「転勤」「結婚」「立地・環境の不満」「設備の不満」「家賃が高い」「入居者同士のトラブル」が多いようです。例えば下記の記事が参考になります。

(参考)【アンケート調査】賃貸オーナー必見!入居者が退去する理由5選(実際の声も紹介します)

この記事によると、退去理由のランキングは以下のようになります。

第1位:前より条件の良い物件を見つけたから
第2位:他の入居者・オーナー・管理会社とのトラブル
第3位:設備に不満があった
第4位:騒音問題
第5位:部屋の広さに不満

「管理の不備」という点では、第2位の「入居者・オーナー・管理会社とのトラブル」が挙げられていますが、筆者の感覚だと入居者同士のトラブル(騒音・ゴミ・臭気など)が多いと思います。繰り返しますが、オーナー・管理会社とトラブルになるのは余程の場合です。

ちなみに、設備や立地は変えにくいので、共用部分の清潔感など変えられる環境面と家賃で嫌われる要素を極力なくしていくことで、退去を予防できると思います。

不動産投資の失敗原因 6. 法的問題への対応不足

ChatGPTは法的問題として「法令違反や契約不備」を挙げています。わざわざ自分自身で違法行為を行うことはないですが、巻き込まれることはあり得ます。法的問題に関しては、金銭的なダメージよりも精神的なダメージの方が大きいものです。以下、具体例を挙げていきます。

【法的トラブル①】契約トラブル

「契約トラブル」で筆者が真っ先に思い起こすのが、仲介会社が手付金を持ち逃げした事件です。これは筆者が直接関わった事案ではないのですが、筆者のクライアントが手付金を持ち逃げされ、当時大騒ぎになりました(結果として無事に解決しましたが、かなり幸運でした)。

それから、違法な「預り金」も記憶に残っています。これは筆者のクライアントではなく、一見さんからの相談事例だったのですが、買い手が買付を提出した時に仲介業者から妙な名目で「預り金」を請求されたらしいのです。おそらく預り金を人質にして、買い手がキャンセルできないように牽制しようとしたと思うのですが、これは宅建業法違反です。筆者に相談に来る前にお金を預けてしまったらしく、買付を取り下げて預り金を返還してもらうのにかなりもめました。最終的には弁護士を入れて解決したそうです。

あとは、サブリース契約。違法ではないのですが、契約内容が投資家・地主にとって著しく不利な内容だったので、後で地主さんと管理会社の間で大モメになりました。「著しく不利な内容」を端的に説明すると、オーナーは自分で建物・部屋の修繕をすることができず、サブリース会社が指定した修繕を強制される、リフォーム・修繕を担当する業者はサブリース会社の指定に限る、という内容です。

これだと、サブリース会社と修繕業者の言いなりで修繕内容が決められてしまい、相場よりもかなり高い値段で工事を発注しなければなりません(見積もりを見ましたが、実際かなり高かったです)。一体だれが所有者だか分かりませんね。おそらく業者間でキックバックもあったと思います。そして、サブリース契約を解約する場合は漏れなく「違約金」が発生する契約内容となっているので、かなり悪質です。

結構さらっと契約書にこういう悪質な条文を潜り込ませていることがあるので、契約書の条文は逐一チェックしましょう。

【法的トラブル②】違法建築物

いわゆる違法建築物(建築基準法や都市計画法などに違反している建築物)についてお話します。こういっては何ですが、昔は違法建築は結構ありました。初めから違反している建築物もありますし、完成検査後の後工事や増改築で不適法となる物件もあります。

よく筆者が現場で困ったのは、中古物件の取引で途中からその物件が違法建築物であることが発覚する時です。金融機関は適法な物件以外には融資をしてくれません。適法かどうかを判断する資料が「検査済証」です。しかし、昔は完了検査を受けずにそのまま使用を開始してしまう建物が結構ありました。そのため、検査済証の無い中古物件が相当数存在します。

そして、買い手や不動産仲介業者が困るのが、契約直前になって「検査済証」が無いことが発覚するケースです。稀に検査済証が紛失されているものの物件自体が適法な場合はありますが、そんなことはレアケースです。大抵は初めから違法物件です。

そうなると融資が見込めなくなるため、取引はここで破談となります。ここまで費やしてきた時間と手間が無駄になってしまいます。土壇場で破談になると結構精神的なショックも大きいものです。

【法的トラブル③】近隣トラブル

近隣トラブルもたまに起こります。「越境」と「私道の通行掘削」「ゴミの始末」が問題になりやすく、弁護士を入れて解決した事例もあります。

「越境」「私道の通行掘削」などは売買契約時の重要事項として説明されるものですが、説明された内容と実際(隣地所有者の認識)が違っていることもあり、トラブルになることがあります。

実際、私道に面した敷地でアパートを建築しようとしたときに私道所有者が「共同住宅は騒がしいので通行掘削は認めない」と言われて、揉めた現場もありました。私道所有者からは事前に通行掘削の許可をもらっていると告知されていたのですが、土壇場で話がひっくり返って、売主・私道所有者・建設会社・買主の関係者で喧々諤々と議論、交渉していました。この物件に限らないのですが、特に割安に出ている土地は接道に難がある(近隣でトラブルがある)ことが多いので契約前によく注意しましょう。

【法的トラブル④】入居者の夜逃げ

これも一定の頻度で起こります。昨今では家賃保証(滞納保証)を導入しているオーナーさんが多いので、滞納家賃は回収できると思いますが、残置物の取り扱いなどは注意が必要であり、法律的な視点を持って対応する必要があります。

(参考)オーナーズスタイル
「家賃滞納で入居者が夜逃げ!連帯保証人への連絡や残置物の処理など大家さんがすべきこととは?」

【法的トラブル⑤】不法投棄・違法駐車

あとは、不法投棄・違法駐車の対応も専門家(弁護士など)を入れて解決した事例です。違法駐車に関しては、結局、違法駐車されていた自動車は盗難車だったのですが、元の所有者と連絡が取れて無事に解決しました。ただ、請求先が不明の場合には処理費用をオーナーが負担する可能性もあったので結構深刻です。

それから不法投棄も何件か相談を受けたことがあります。特に処分にお金がかかる家具・家電などが敷地内に勝手に放置されることがあります。最初はアパートの住人のものかと思われたのですが、監視カメラを付けたところ、住民以外の第三者が勝手に放置したことが分かりました。

残念ながら相手を特定できず、オーナーが自費で処理することになりましたが、「監視中」などのステッカーを貼ったり、罰則を記載した看板を置くなどして牽制を試みているところです。

不動産投資の失敗原因 7. 過大なリノベーション費用

これも筆者の体験上の話でしかありませんが、少なくとも筆者の周りではリノベーションで大成功している人はいません。費用対効果がイマイチだからです。

よほど設備が老朽化している場合は別ですが、それ以外は基本的に清潔感を損なわない範囲のクリーニングと修繕でいいと思っています。

繰り返しますが、バリューアップしても元が取れることはあまりないか、とても長い時間がかかります。そのうちにまた老朽化してしまいます。家賃を下げたほうが経済合理性が高いこともしばしばです。

例えば、オートロックが付いていないアパートに後付けでオートロックを付けようとしたところ、電気系統(各部屋へのインターホン設置)の工事をめぐって結構大変なことになり、コストも結構かかるため見送りとなりました。最近ではスマホを使った簡易的なオートロックもありますが、果たしてそれで家賃の値上げにつながるかといえば、正直微妙です。

無いよりは有ったほうが良いのは間違いありませんが、全国民に絶対必須というわけではありません。立地・家賃・周辺環境とのバランスでうまく折り合えるポイントがあると筆者は考えています。

不動産投資のあらゆる失敗の原因は「物件選びの失敗」に尽きる

ここまで不動産投資の失敗原因についてパターン別に解説してきましたが、筆者なりの結論を申し上げると、不動産投資のあらゆる失敗の原因は「物件選びの失敗」に行き着くということです。

極論、変な物件を買わなければ不動産投資では失敗しません。それ以外の原因で何かしら不都合が起きても後でいくらでも取り返せます。

不動産投資の肝は「キャッシュフロー」と「資産価値」

突き詰めると不動産投資における失敗は二つしかありません。
①キャッシュフローのマイナス
②資産価値の大幅な下落

このどちらかです。先程解説した7項目の失敗原因リストですが、これらの失敗の先に行き着くのは「キャッシュフロー不足」か「資産価値の下落」です。仮に修繕費が多く掛かろうが、キャッシュフローがマイナスにならず、資産価値を維持できれば、不動産投資は失敗にはなりません。

ですから、不動産投資で失敗しないためには、キャッシュフローが常にプラスになる物件で、かつ資産価値をキープできる立地の物件を選べばよいのです。

エリアごとの築古物件の価格変動や出口の考え方、キャッシュフローの考え方、計算方法などについては別の記事で解説しますので、時間があれば参考にご覧ください。

【参考記事】
不動産投資の出口戦略 物件の売却価格を予測するには?
自宅を買うならどのエリア? 買った後の不動産はどのくらい値下がりするのか

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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。