【新築vs中古】不動産投資でおススメなのはどっちか!?

不動産投資の世界において、「物件は新築と中古、どちらがいいか」というのは難しい論題です。筆者もセミナーや個別相談などで、投資家さんから「新築と中古、どちらがおススメですか?」と質問されることはよくあります。

一概に判断できないことも多いのですが、筆者の場合、「個人意見になりますが、今おススメするなら・・・」という切り口でお話することにしています。というのも、その人の属性、社会情勢や環境(主に融資環境)によって新築と中古、どちらをおススメするかが変わってくるからです。

今回は、新築、中古のメリット・デメリットをまとめたうえで、新築がいいタイミング、中古がおススメとなるタイミングの見極め方。そして、投資目的別(指向性別)におススメの投資スタイルを解説します。

【新築vs中古】 新築物件のメリット・デメリット

まずは新築物件のメリット・デメリットを簡単にまとめます。

(新築のメリット1)「新築」は入居募集に強い

新築は入居募集のときに大きなアピールポイントとなります。室内が真新しく設備も最新式のため、入居を希望する人が多いので、内見に結びつきやすかったり、成約率が高くなったりします。。

(新築のメリット2)「新築」は融資期間が長い

新築は融資期間が長くなるのがメリット。新築木造アパートなどは、なぜか原則である法定耐用年数(22年)を超えて25年や30年の融資を受けられることが良くあります。(劣化対策等級の取得が条件になることが多いですが)

新築区分マンションはなぜか金融機関からの受けが良く、「頭金がゼロ」のフルローンが組めることもあります。(新築区分は収益性が心配なことがありますので、よく注意して下さい。)

(新築のメリット3)「新築」は修繕不安が少ない

新築の場合、当面はリフォームや修繕の必要がありません。雨漏りや水漏れなど購入前に判明しなかった不具合を売り主が直す瑕疵担保責任も10年(中古は2年)あるので、初心者には安心です。

(新築のデメリット1)「新築」は取得費が高くなりがち

一般的に、新築物件は中古物件よりも取得費が高くなります。中古物件は経年劣化などハード面の劣化が価格に反映されるほか、融資面(融資期間が短くなること)を考慮して利回りを上げる(価格を下げる)ので、どうしても新築より中古の方が割安になります。

(新築のデメリット2)「新築」は家賃下落が激しい

先述のとおり、新築物件は入居希望者が多く人気物件になりやすいのですが、一旦他人が住んで「新築で」はなくなってしまうと、家賃が低くなることが多いと言われます。よく「新築プレミアム」などと呼ばれることがあります。

特に最初の入居者の家賃設定は高めにした場合、2人目からは家賃を下げることが多いので、購入前の収支試算でそのあたりの家賃減価率を厳しめに見ておく必要があります。

(新築のデメリット3)「新築」は収益化するまで時間がかかる

これは、土地から仕入れて建物を新築する場合ですが、土地の取得から建物完成~入居開始までに結構な時間がかかります。中古物件のオーナーチェンジは引渡しを受けてすぐに家賃発生して収益化されますが、新築の収益化には時間がかかるのがネックとなります。

(新築のデメリット4)「新築」は現物を見ずに買わなければならない

新築物件は、購入相談時にはまだ建物が完成していません。そうすると、更地(もしくは建築中)の現地を見ながら、プラン図をにらんで購入検討しなければなりません。中古物件であれば、現物を確認することが出来ますが、図面で売買しなければならないのは、慣れていない方には不安なことだと思います。

【新築vs中古】 中古物件のメリット・デメリット

次に、中古のメリット・デメリットをまとめます。中古物件のメリット・デメリットは、新築の裏返しです。

(中古のメリット1)「中古」は取得費が割安で利回りが高い

中古物件は利回りが高くなりやすいのが最大のメリット。中古物件は経年劣化などハード面の劣化が価格に反映されるほか、融資面(融資期間が短くなること)を考慮して利回りを上げる(価格を下げる)ので、収益性を重視する人には好まれやすい投資対象です。

(中古のメリット2)「中古」は家賃下落が限定的

中古物件は、いわゆる新築プレミアムのようなものがありません。経年劣化によって緩やかに家賃が下落していきます。また、築15年超になってくると、それ以上家賃が下がらない「家賃の底」のようなものがありますので、損耗劣化の具合にもよりますが、収益性がある程度見通せるのも魅力です。

(中古のメリット3)「中古」は買ったらすぐ収益化できる

中古物件のオーナーチェンジは引渡しを受けてすぐに家賃が発生するので、賃貸募集に不安があるオーナーさんにとっては安心材料となります。特にお金持ちの相続対策などで物件を探す人は、まっさらな新築よりも、築浅で程度の良い、既に稼働している物件を好みます。

(中古のメリット4)「中古」は現物を見て購入を決められる

これも中古の大きなメリットです。どうしても平面図などでは思い切った判断ができず、購入に二の足を踏んでしまう方には中古物件で、実物を見ながら購入検討するほうが向いていると思います。また、新築には「開発リスク」が伴います。建築途中に何等かのアクシデントが発生し、建築が止まってしまう可能性もゼロではありません。しかし、中古の場合は代金の支払いと同時に物件の引き渡しがありますので、その点も安心材料と言えるでしょう。

(中古のデメリット1)「中古」は設備等の老朽化により入居募集で不利

中古物件は、室内や設備が古くなっているため、新築よりも入居者募集でやや不利になることがあります。インターネットなどの設備や、セキュリティ面なども、10年~20年前の物件と新築では明らかに違ってきます。

(中古のデメリット2)「中古」は融資期間が短い

また、中古物件の泣き所が融資。収益不動産の融資期間は、法定耐用年数の範囲内とされるのが通例。そして中古物件の融資期間は、残存している耐用年数が上限となります。

【法定耐用年数】
・SRC造・RC造 47年
・S造(重量鉄骨) 34年
・S造(軽量鉄骨) 19年~27年
・木造 22年

例えば、築20年のRC造の場合、法定耐用年数47年から、経過年数20年を引いた、27年が最長となります。他方、築20年の木造だと、ほとんど耐用年数が残っていないので、融資期間が短く、取り組みが難しくなるのが分かると思います。

(中古のデメリット3)「中古」は突発的な修繕費が心配

また、中古物件の購入で注意が必要なのが修繕の要否。きちんと建物の状態を精査しないと、いきなり多額の修繕費が発生する可能性もあります。例えば設備の交換。ガス給湯器やエアコンなどの設備が故障すると交換が必要ですが、それはもちろんオーナー負担。買った後に設備の故障が発覚すると、その交換費用は買い手が持つ異なります。

また、外壁や防水などの大規模修繕についても、買う前にどのくらいの費用が掛かりそうか検討しておくことが大切です。買って僅か1、2年で大規模修繕が必要となってしまうと、資金繰りの面でとても大変なことになってしまいます。くれぐれもそのようなことが無いよう、購入前に修繕が必要なポイントを押さえ、今後発生が見込まれる費用の概算をつかんでおきましょう。

さて、ここまで新築と中古について概要をまとめましたが、実際の投資では、新築と中古、どちらが良いのでしょうか。実は、投資家自身が何を望むか、どういう投資をしたいのか、によって、少し結果が異なってきます。

以下、筆者の経験から目的別に適した投資手法についてまとめてみました。

【新築vs中古】キャッシュフローを重視する人にはコレ

とにかくキャッシュフローを重視したい方には、融資期間が長く取れる物件で、かつレバレッジをかけやすい投資がおすすめで、「中古1棟RC」か「新築木造アパート」がよいでしょう。

(1)「中古1棟RC」

「中古1棟RC」は、最もキャッシュフローが出やすい投資と言えます。キャッシュフローが出やすいのは、レバレッジをかけやすいこと、新築~築浅よりも利回りが高いこと、融資期間が長くしやすいことが理由です。

懸念点としては、購入後に大きな修繕が必要となること。RC造は木造よりもメンテナンス費用が高額になることが多いので、ある程度の修繕費用は購入前に見込んでおいた方がいいでしょう。たいてい、売主は大きな修繕が発生する前に売却するので、買って数年で大規模修繕が必要になることもあります。

あとは、出口で売却する際、残存耐用年数が短くなるため、物件を高値で売りづらいこともあります。耐用年数を超えて融資してくれるのは、今のところスルガ銀行が有力なので、スルガ銀行の融資基準を理解して、出口を想定しておくことが重要かと思います。

(2)「新築1棟木造」

ここ数年、キャッシュフロー重視派に人気だったのが「新築1棟木造」。「劣化対策等級」を取得することで融資期間の延長が認められ、木造としては融資期間が長く設定できるようになったことが背景にあります。

そのため、きちんとした利回り(立地にもよりますが、少なくとも7%以上、8%以上であれば安全圏)のものを選べば大きなキャッシュフローを期待できるようになりました。また、新築であるため修繕が少ないこともキャッシュフローが大きくなる要因の一つです。

【新築vs中古】収益性(利回り)を重視する人にはコレ

早期に純資産を増やしたい人、投資効率を求める人には、利回りが高い物件への投資がおススメです。日本国内で言えば、利回りが高いのは築古木造。高い利回りを活かして、早期(10年程度)で返済を完了させ、無借金の資産を増やしていくことが投資の基本方針になります。

特に地方の築古木造物件は価格が安いこともあり、資金が多くない方でもチャレンジできる投資として人気です。

注意点としては融資。築古木造の泣き所は融資の難しさです。元々、木造の耐用年数は22年ですが融資期間もそれに引っ張られます。築古であるため、残存耐用年数と融資期間が非常に短く、キャッシュフローが出にくくなります。

築22年を超えるものは、借り手の属性が良ければ10年返済くらいで融資してくれることもありますが、自己資金を多めに入れたり、他の収入が多かったりするなど、物件外の要素で審査上のプラス要因を重ねていく必要があります。

【新築vs中古】投資の安全性を重視する人にはコレ

(1)借金が怖い=「区分RC造」

とにかく借金のリスクが怖い人には、とりあえず「区分RC造」がおすすめです。とりわけ借金のリスクが怖い人は、まず不動産投資に慣れるという意味で、区分RCはとっつきやすいと思います。

ただし、規模が小さいため、レバレッジをかけた投資に比べてキャッシュフローが小さいのは否めません。

(2)出口が不安=「新築1棟木造」

出口の安全性は確保したい、という方には新築木造がおすすめ。築浅(築5年~10年程度)のうちに売却する想定であれば、比較的買い手はつきやすいと思います。

将来の売却相手はオリックス銀行を使って物件を購入することを想定して収支計画を立てるとよいでしょう。

なお、出口の堅実性という意味だと新築・築浅RCが一番堅いのですが、利回りが低いので、運用期間中のキャッシュフローが厳しい他、特に1棟ものでは物件規模が大きく多額の自己資金が必要となるため、ここではあえて「新築木造」を推します。

【新築vs中古】失敗しない不動産投資 まとめ

今回は、新築と中古、どちらが良いかについて解説しました。新築と中古、どちらにもメリット・デメリットがありますので、よくご確認いただき、ご自身はどの手法で不動産投資を始めるのがいいか、是非研究してみてください。

【参考記事】
40代の準富裕層ってどんな人?資産5000万円を持つ人とは?
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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。