資産運用における不動産投資6つのメリット

不動産投資は、その名のとおり不動産に投資して収益を得ることで、資産運用においては今も昔も株式投資と並んで主役級です。
とはいえ、不動産投資でどのように収益を得るのか、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、資産運用としての不動産投資の基礎知識・コツについて解説します。

「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」

不動産

不動産に限らず、投資、資産運用において得られる収益には主に「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つがあります。

キャピタルゲインとは簡単にいうと、所有する資産が値上がりし、それを売却することで得られる収益のことです。

株式でいえば、安値で買った株が値上がりし、それを売却することで得られる差益になります。
不動産ならば、所有する土地やマンションなどの価格が景気の上昇等の理由で値上がりし、購入したときの価格よりも高く売れた場合にキャピタルゲインとなります。

一方のインカムゲインは、株式投資の場合は所有する株式から得られる配当金のこと。
不動産投資の場合は、所有する不動産を第三者に貸すことで得られる家賃収入がそれにあたり、つまりは大家さんとなって収入を得るということです。一般的には利回りを指標として判断されることが多いです。

ただ、株式投資であれば少ない資金から始める少額投資が可能なのでリスクも小さいですが、不動産投資の場合は不動産を小分けにして買うことができないため、どうしても最初から大きな金額での投資となってリスクも大きく、資産運用初心者にとってはハードルが高くなるのは事実かもしれません。

不動産投資のメリット

次に、他の資産運用と比較した場合において、不動産投資のメリットについて整理しましょう。

  1. 毎月の安定収入が確保できる
  2. レバレッジ効果がある
  3. ミドルリスク・ミドルリターン
  4. 節税効果がある
  5. 生命保険として活用できる
  6. インフレリスクに備えることができる

1.毎月の定収入が確保できる

資産運用手段として、不動産投資の一番のメリットは、毎月の安定収入を確保することができる点です。
たとえば、定年までに家賃が8万円のローン完済済みマンション3戸を保有することができれば、資産運用だけで老後の年金に不安を抱かずに毎日を過ごすことができるようになります。

2.レバレッジ効果がある

不動産投資が他の資産運用と比べて最も特徴的なのは、ローンが組めるという点です。
数十万円~数百万円の頭金さえ用意できれば、あとは毎月の家賃でローンや税金を支払っていくことで、キャッシュアウトをせずにローン完済への道筋が立つことになります。

自己資金をおさえて投資できるため、100万円の資金で3000万円の物件を買うというようなレバレッジ効果(てこの効果)を期待できます。
融資の審査が通りやすいサラリーマンの方にとっては、自身の属性を最大限に活かした投資手法・資産運用手段と言えるでしょう。

3.ミドルリスク・ミドルリターン

不動産への投資は、少ない自己資金で毎月の家賃というリターンを確保できる一方で、他の資産運用手段と比べて値動きが比較的ゆるやかで、現物なので価値がゼロになる心配も極めて少ないというメリットがあります。
数百万円のまとまった資金が必要で、資産価値がゼロ円やマイナスになってしまう可能性がある株やFXに比べると、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用手段といえるでしょう。

4.節税効果がある

純粋にリターンを狙う資産運用ではありませんが、不動産への投資には節税効果もあります。
不動産購入後1年~2年は諸費用が発生するため、所得税の控除が受けられるケースが多く、高所得者にとっては大きなメリットとなります。

また、新築アパート投資においては、物件の金額が大きく建物の減価償却スピードが22年とマンションの減価償却期間47年に比べて早いため、毎年数百万円単位の費用を発生させることができます。

また、不動産購入には相続税の負担を軽減することができるというメリットもあります。広い意味で考えると相続税の圧縮も資産運用の一環と言えるでしょう。
平成27年に相続税改正があり、相続税の課税対象者比率が平成26年以前の倍近くまで増加することとなりました。
それに伴って、相続税対策としての不動産へ投資するメリットが改めて見直されています。

5.生命保険として活用できる

不動産に投資する際、一番の懸念はローンを無事に完済できるかという点です。資産運用を始めたはいいものの、途中で自分が死んでしまったらどうするのか。
特に一般のサラリーマンの場合、不慮の事故や予期せぬ事態が起こった際に、できるだけ家族には負担や迷惑がかからないようにしたいと考えられているかと思います。

そこで役立つのが団体信用生命保険をはじめとする生命保険の活用です。
こういったローン返済におけるリスクに備えて、返済期間中に本人が亡くなってしまった時や重病になってしまった際にローンの債務免除が受けられるため、家族に不動産資産と毎月の家賃収入を残すことができるようになっています。自分が死んだあとも、家族にも資産運用の恩恵を受けさせることができます。

6.インフレリスクに備えることができる

資産運用を考えるうえで外せないのがインフレリスクです。
インフレ下では現金の価値が目減りしてしまいますので、預貯金で持っていると毎年価値がインフレ率分だけ下がってしまうことになります。

この点、不動産投資を資産運用を行っている場合は、物件価格や賃料はインフレに連動しているので、インフレ下でも資産価値を
損なうことなくインフレリスクから資産を守ることができるというメリットがあります。

いかがでしたでしょうか。資産運用先として、不動産への投資のメリットをいくつか解説いたしました。いくつも資産運用手段はありますが、
そのメリットデメリットを比較検討して、賢く資産運用してください。

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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。