世の中でハイクラスの職業の代表格といえば、弁護士・会計士と並んで「お医者さん」ですね。
世間でのお医者さんのイメージといえば、「高学歴」とともに「高収入」が上がってきます。
もっとも最近ではお医者さんのお仕事の過酷さが知られてきましたので「激務」「多忙」というのも定着したかもしれませんが。
さて、それでは高収入と言われるお医者さんはどのくらいの稼ぎを得ているのでしょうか。
厚生労働省の統計(※)によると、勤務医(平均年齢42.1歳)の平均年収はおよそ1200万円~1300万円と言われています。
(※参考資料:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」など)
一般のサラリーマンの平均年収は400万円くらいと言われていますので、なんと3倍もの水準になります。
しかし、実は多くのお医者さんが、本業(常勤の仕事)に加え、アルバイトをしながら副収入を得ているのをご存知でしょうか。
事実、多くの勤務医にとってアルバイト収入は生活に欠かせないもののようです。
そこで今回は、なぜ高収入で多忙なお医者さんが副業をするのか、
そしてお医者さんに、どんな副業が選ばれているのか、まとめてみました。
高給取りの医師が副業する二つの背景
そもそもなぜ高給取りのお医者さんが副業する必要があるのか?
そこには二つの背景があります。
1.開業準備:資金とスキルと経験
(資金の貯蓄)
副業を始めるうえでの一番のメリットと言えば収入アップでしょう。
お医者さんのアルバイトの時給相場は約1万円で、週1日働いたとしても20~30万円の底上げが期待できます。
常勤の給与のみでは苦しく、休日に副業をしている人も多いと聞きます。
これを逆手にとって、常勤に入らず非常勤のみで働く人もいるのだとか。
(スキルアップ)
医療機関によって症例の偏りがあったり、ほかのお医者との兼ね合いで自分に症例が回ってこなかったりすることもあります。
副業を行っている医者の中には、自分のスキルを高めるために症例が回ってくる医療機関を選ぶ人も多いようです。
(開業のノウハウが学べる)
将来クリニックを開業したいと考えている人や家業として続いているクリニックを継ぎたいなどの理由で副業を行うお医者さんもいます。
副業は施設運営やスタッフのマネジメントなども学ぶことができるのです。
開業医ともなると地域のネットワークは欠かせません。
将来、病院の開業や跡継ぎを考えている人には、メリットになるといってもいいでしょう。
2.子供の教育費:子供を医師にするには1億円必要?
もう一つ、勤務医が副業をする理由としてあげられるのが子供の教育資金。
子どもに自身と同じ仕事に就かせたいと思う人が多いのは医師の大きな特徴です。
この記事を読んでいる方であれば、心当たりのある方も多いと思います。
医者の家族の多くは子供を中高一貫の私立に入れたり、将来的には医学部入学も考えていることが多く、教育費などがかさむため想像以上にギリギリの生活をしている先生も多いようです。
さらに幼稚園からの早期教育や小学校受験なども視野に入れると、莫大な教育費がかかります。ご自身の給料だけでは心もとないという方もいらっしゃると思います。
特に私立医学部に入学した場合には6年間で数千万円のお金がかかるため、年収が高くても生活にゆとりがあると感じているお医者さんは少ないのが現実です。
「教育資金はいくらぐらい用意すれば安心と思うか」というアンケートに対し、最も回答が多かったのは1001万~3000万円で35%。
3000万円超の人は40%にのぼったそうです。
だいたい小学校から私立に進ませることが多く、学習塾代などもかさむ傾向。
私立大に進み、寄付金も含めて考えると、子どもをお医者さんにするためにかかる教育費は6000万~1億円程度とされています。
すさまじい金額ですね。
お医者さんに人気の副業とは?
ここで、医者の先生方に人気の副業を順番に見ていきましょう。
1.非常勤医師
お医者さんの副業・アルバイトの中で最も多いのが、産業医など、非常勤医師として働く勤務形態。医師免許を活かした副業と言えます。
非常勤医師はフルタイムで働かないので、勤務日数や時間を調整しやすいのが特徴です。
非常勤医師の中には、決まった曜日や時間帯に繰り返し勤務する「定期非常勤」の医師として働く人もいます。
お医者さんのアルバイト探しを専門にしたウェブサイトも多数あり、かなりの求人があるので、手っ取り早く副業・アルバイトができると思います。
時間単価も高く、多少の高い低いはありますが、大体、時給1万円です。
お医者さんであればどんな仕事でもこれくらいが平均となり、専門性が高い先生や大学の教授クラスになるともっと高い時給になることもあります。
日中での外来対応については、初診の患者を診たり、自分の得意科目による専門外来を持ったりします。
通常午前中のみか、丸1日になります。
午前中のみであれば1万円×4時間くらいなので、給与は4万円。
1日だとおよそ8時間で8万円となります。
一方、夜間の当直対応というのは、常勤医師が手薄になる夜から朝にかけて、主に病棟における患者の急変に対応する役割で、患者の急変がなければ当直室で就寝が可能です。
相場はおよそ1晩で4万円。これも見方によったら高い給与ですね。
2.医療・医学系Webライター、セミナー講師
お医者さんの副業は医療系の評論、番組の出演や講演会でも稼ぐことができます。英語に堪能な方も多いので英語での依頼もあると思います。
秋から冬にかけては、インフルエンザの予防、風邪の予防、そして春から夏にかけては花粉の予防等、そして現代人の食生活の見直し等、様々な分野で医師の専門性が発揮されます。
また、医療・医学系の情報でコラム・ブログを書いてくれるライターが求められるときにも、専門的な知見を持つ医師は重宝されます。
おそらく、この二つがお医者さんの資格を活かした副業になるかと思います。
特に非常勤医師として副業をする場合は、他の副業に比べてかなり高額なので、時間の調整ができるうち、体力が続くうちは、非常に稼げると思います。
ただ、注意点としては、常勤の労働に、非常勤の労働が重なるので、体力的にはかなり厳しくなること、プライベートの時間が少なくなることがあります。
副業は基本的に自分の休日の日に働くことが多いので、プライベートの時間が無くなる可能性が高くなります。
時間が無くなると体力を十分に取れなくなるので、常勤で体力を使う際には気を付けなければなりません。
3.不動産投資
もう一つ、意外とお医者さん方が取り組んでいるのが不動産投資。
副収入を得る方法として、時間に拘束されないのが人気のようです。
ただ、これには注意点もあります。
あなたがお医者さんであれば、不動産会社の営業マンから「節税用の不動産」に関する電話営業が頻繁に来ているのではないでしょうか。
特に新築の区分投資用マンションは要注意。
興味本位でいくつも買ってしまって、首が回らなくなってしまったお医者さんを何人も知っています。
医師が不動産投資を始めるのが難しいのが、不動産投資の世界を一から勉強しないといけないことです。
お医者さんにお勧めしたいのは、新設法人を設立して、きちんと儲かる不動産に投資をすること。
新設法人を使うのは、所得を分散させるため。
儲かる不動産を買うと、個人の所得(医師としての報酬)の上に、さらに不動産所得が上積みされるため、高い税率が適用されてしまうからです。
ですから、本当に頭のいい方は、物件ごとに法人を作って儲かる不動産を買っています。
元々所得も高いので、銀行の融資もスムーズに受けられることが多いものです。
それでは、どういう不動産が儲かるのか?
それは、インカムゲイン(家賃収入)でも儲かり、キャピタルゲイン(売買差益)でも儲かる物件です。
そのあたりの細かいノウハウは、また稿を改めます。
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