不動産投資はやめとけと言われる理由は?失敗する人の特徴を解説

不動産投資には根強い反対派がいらっしゃいます。ネットで不動産投資情報を探してみても、「不動産投資はやめとけ」という記事がたくさん見つかります。

実際、不動産投資のアドバイスをする立場の筆者からしても、不動産投資には大きなリスクがあるため、万人に勧められる投資ではないと思っています。人によっては「不動産投資はやめとけ」とアドバイスしたくなるような方もいらっしゃいます。

今回は、「不動産投資はやめとけ」と言われる理由、不動産投資に向いていない人の共通点、などについて解説していきます。

「不動産投資はやめとけ」と言われる理由とは?

まずは「不動産投資はやめとけ」と言われる背景・理由について解説します。「不動産投資はやめとけ」と言われるには、それなりの理由があり、それなりの難しさがあるのは間違いありません。ただ、大事なのはそれらの不安やリスクに対して、対策を講じることができるか、それを投資家自身が自分で実践できると思えるかどうかが分かれ目だと思います。

「不動産投資はやめとけ」(理由1)不動産業者への不信感

不動産投資の世界では、残念ながら個人投資家が不動産会社に手玉に取られてしまうことが頻繁に発生します。もしあなたの家族・親族や友人に、不動産会社に騙された人がいたら、その人は、あなたが不動産投資を始めると聞いた瞬間、「不動産投資はやめとけ」と猛烈に反対されるでしょう。

筆者は不動産会社関係でトラブル相談を受けることも度々ありますが、不動産投資で業者関係のトラブルはいくつかパターンがあります。総じて言えるのは、犯罪になってしまうので、積極的に騙したというケースはそれほど多くありません。

多いのは、投資家の無知に付け込んで、必要な情報を一部隠して黙って仲介・販売した、というケースだと感じています。前提として、仲介する立場の人間としては、物件のリスクやデメリットについて、必ずしも全てを説明するとは限りません。あくまで不動産投資家の自己責任になってしまいます。

「投資に関しては素人なので、不動産会社に相談したい」と思う人もいるかもしれませんが。不動産会社に頼りきりになってしまうと、不動産会社が売りたい物件を買わされてしまうことも起こります。そして、不動産会社が売りたい物件は必ずしも良い物件とは限りません。

このため、不動産会社からの説明を鵜呑みにするだけでなく、投資家自身が情報を精査してリスクを検証することも重要です。不動産会社のいいなりにならず、自分なりの基準を持って情報収集することを意味します。

対策としては、失敗事例をよく学ぶことが重要かと思います。不動産投資ポータルサイトの「楽待」や「健美家」には、多くの不動産投資家が自分の失敗を語っているので、まずはそれらを見て、不動産投資には、どのような失敗があるのかを知っておくとよいでしょう。怖くなって不動産投資を諦めるかもしれませんが・・・。

「楽待」実践大家コラム 
「健美家」不動産投資コラム
 
余談ですが、これから不動産投資を始める方は、上記の「楽待」と「健美家」は参考になるので、物件を探し始める前に色々眺めてみるとよいでしょう。この二つの情報サイトの特長や使い方については、以下の記事をご覧ください。

(参考記事)なぜ初心者は「楽待」を活用すべきなのか?セミナー・コラムの内容は?
(参考記事)健美家とは?サイトの使い方と活用法・富裕層向け【最新情報】

「不動産投資はやめとけ」(理由2)少子高齢化と賃貸ニーズ

「不動産投資はやめとけ」という不動産投資反対派の論拠として、よく挙げられるのが少子高齢化。日本の人口統計を見ると、明らかに少子高齢化が進んでおり、将来の賃貸ニーズが危ぶまれています。筆者の所に、不動産投資の相談に来る方の多くが、将来の空室リスクに不安を感じているようです。

そんなに不安ならば「不動産投資はやめとけ」と言ってしまいそうになるのですが、身も蓋もないので少し補足します。

賃貸マーケットですが、同じ日本でも二極化が進んでおり、人口が増えているエリアもあります。そちらのエリアを軸に不動産投資を始めるのは有効な手段の一つだと思います。将来の人口推計によると、あと20年くらいは人口が増え続けるエリアもありますので、そういうエリアを探すこともありだと思います。

また、人口は減るが、賃貸ニーズは見込めるような物件を割安価格で仕込んでいく投資もあります。実際、地方戸建投資などは投資資金が少なく高利回りになりやすいので、特に初期資金の少ない方には人気の投資です。一律に不動産への投資がダメ、というわけではなく、市場が縮小する中で生き残るノウハウを見つけていくことも必要かと思います。

「不動産投資はやめとけ」(理由3)借金への恐怖と忌避

不動産投資の特長の一つが、借入金を使ったレバレッジ効果。購入物件を担保としてローンを利用できます。しかし、不動産に投資をしたことがない人にとってが、ローン返済に行き詰まった場合のリスクは恐怖でしかありません。

誤解なきように先にお伝えすると、いわゆるアパートローンの返済は家賃収入を原資とします。住宅ローンのように給与収入を返済の原資とするのは事情が違います。このため、空室リスクが低い物件を選ぶこと、もしくは多少の空室損をモノともしない高収益の物件を購入できれば、アパートローンの返済を過度に恐れる必要はないといえます。

また、アパートローンは、返済に行き詰まった場合は担保不動産を売却することで返済に充当可能です(ただし、残債務が売却代金を超過するとこの限りではありませんが)。

ここでポイントとなるのが、空室リスクに強い物件を選ぶこと。これは単に賃貸ニーズが強いエリアを選ぶ、というだけでなく、多少空室が出たとしても十分な収益を保てる高収益物件を選ぶこと、あるいは空室リスクを抑え込める運営ノウハウを身に着けること、など複数の対策が考えられます。

実際、賃貸ニーズが低調と言われるエリアで、高収益物件を次々取得して思う存分儲けている投資家さんもいらっしゃいます。特に地方投資が得意な投資家さんのコラムなどを読んでみて下さい。

「不動産投資はやめとけ」と言われるのはどんな人?

本当に不動産投資をやめておいた方がいい人の特徴について解説します。前述のとおり、筆者も思わず「不動産投資はやめとけ」とアドバイスしてしまいそうになる方もいらっしゃいます。そのあたりについて少しご紹介します。

「不動産投資はやめとけ」と言われる人(1)手元の資金がない人

まず手元に資金がない方には思わず「やめとけ」と言ってしまいます。不動産は購入にまず初期費用がかかります。また、入居者の入れ替えがあると、部屋の修繕や、仲介業者に支払う広告料が発生し、結構な金額が手出しになってしまいます。仮に少額の物件に投資するとしても、物件を買った後に、最低でも数百万円は手元にないと厳しいでしょう。

また、賃貸経営の規模を拡大しようとすると、どうしても借入の利用が必要になります。しかし、そもそもの資産背景がない人は資産バランスが悪いとみられてしまい、金融機関の審査を通りません。特にレバレッジを利かせた投資をしたい人は、必要最低限の資金に加えて、かなり多めの余剰資金を蓄えておく必要があります。

「不動産投資はやめとけ」と言われる人(2)怠惰な人

俗っぽい言い方ですが、面倒くさがる人、ものぐさな人、怠けがちな気性の人は不動産賃貸事業に向いていません。すでに資産家の方はこの限りではありませんが、これから資産形成したいと思う人で、面倒くさいことが嫌いな人は、アパート・賃貸経営に手を出してもいい結果が出ません。

まず、基礎知識を学ぶところで手を抜きます。次に業者さんから物件を紹介されたときの物件選びで手を抜きます。物件を買った後の運営でも手を抜きます。そうすると投資事業はズタズタです。実際、そういう方を何人も見ています。

本を読んだり自ら情報収集したりする時間を取れない人は、失敗事例を学ばず、買ってはいけない物件を買ってしまいます。判断の正誤が分からないので不動産会社に手玉に取られてしまいます。買ったあと、運営がうまくいかなくても管理会社にうまく丸め込まれてしまいます。

うまく収益が上がらないことに気づいて声を荒げても後の祭りです。ほとんどが投資家の自己責任、もしくは契約書等で承認済みのことが多いので、こちらも相談されても取れる手段が限られます。

こういう方は、おそらく不動産よりも株やFXなどの方が、損得が分かりやすく、成否がすぐ判断できるので、まだ成功する確率が高いのではないかと思います。

(参考)不動産投資で成功できる人の特徴

筆者の経験上、不動産投資で成功している人に共通するポイントを挙げるとすれば、それは貪欲さ、と言えるかもしれません。知識にしても、情報にしても、非常にストイックです。儲けるためならば、どれだけ距離が離れていても、どれだけ睡眠時間が削られてもくらいついてくる貪欲さがあります。

こういう方は、たとえ属性が悪くて、自己資金が少なくても、こちらが「やめとけ」と言っても、何らかの方法を見つけ出して実践してしまいます。工夫や実行力に、こちらも驚かされることが何度もありました。

不動産投資で成功するためには専門家の助けも必要ですが、最終的な判断を下すのはあくまでも投資家自身。このため、主体的に情報を収集して実践できる人は、不動産への投資で成功する確率が高くなります。

「不動産投資はやめとけ」まとめ

今回は、「不動産投資はやめとけ」と言われる理由や、「不動産投資はやめとけ」と言われてしまう人の共通点などを解説しました。

・そもそも不動産への投資には潜在的に大きなリスクがあるので、「不動産投資はやめとけ」と言われるには、それなりの理由があり、向いていない人は実際に止めた方がいい。

・「不動産投資はやめとけ」と言われる理由・背景としては、不動産業者への不信感、少子高齢化と賃貸ニーズへの不安、借金への恐怖と忌避が大きい。

・実際に「不動産投資はやめとけ」と言われる人は、手元に資金がない人、自分で動く気がない怠惰な人。

不動産投資は多くのメリットを持つ一方で、「やめとけ」と言われる理由・背景になるリスクも潜在しています。しかし、不動産への投資に関するリスクは、しっかり情報と知識で武装していれば抑制・軽減は可能です。

これから不動産投資を始める人は、まずは先ほど紹介したような情報サイトなどで情報収集してみてください。

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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。