資産運用に失敗するのは年収2000万円になった時!注意点解説

今回のテーマは「資産運用の失敗」。世の中には、資産運用に関して沢山の情報があふれています。資産運用に成功した人の情報などは、ブログや書籍などで注目されていますね。FXや株での成功談はマネー雑誌などでもよく取り上げられます。

一方で、資産運用に失敗する人も多くいらっしゃいます。老後のために蓄えた資金がなくなってしまった、信用取引で失敗して借金だけが残った、先物取引で失敗して、自己破産に追い込まれた、などなど。失敗談も書籍やブログで人気があるので、ご覧になった方も多いかもしれません。

今回は、「資産運用の失敗」に焦点を当てて、資産運用にどんな種類があるのか、どんな失敗の可能性があるのか、を解説します。

目次

資産運用で失敗するのは高所得者が多い!?年収2000万以上は要注意?

実は、資産運用で気を付けなければならないのは、実は高収入・高所得の人。致命的な失敗をしてしまうのも、高額所得者の方が多いかもしれません。
なぜ失敗しやすいのか、そこにはいくつか高額所得者ならではの背景があります。

資産運用に失敗しやすい背景1 営業マンが投資商品を猛烈に進めてくる

失敗しやすい背景の一つが、外部からの一方的な情報提供です。一般的には年収2000万以上の高額所得者は、各投資商品の営業マンから狙われやすいのが現状です。年収2000万以上となると、外資系企業にお勤めの方、医師、大手企業の役員、会社経営者などですが、なぜかそのような方々のリストを営業会社が保有しているので、電話、DMなどあらゆる手段でコンタクトを取ってきます。

もし外部から猛烈に営業をかけられなければ、失敗しないように自分で一から調べて情報収集したかと思いますが、下手に年収が高いと外から営業が寄ってきて勝手に情報が集まる状態になります。様々な投資商品を持ち掛けるので調べるにも膨大な時間が必要となります。そのため、自分で調べるのではなく、持ち寄られた情報を元にで判断してしまう方もいらっしゃるようです。

そうすると、自分なりの判断基準を持つ前に様々な投資商品を検討することになってしまい、偏った情報の中で判断を下してしまうことが多いようです。そうすると失敗する確率はかなり高くなってしまいます。このような失敗は、特に不動産投資、マンション投資でよく見られる現象です。不動産投資の情報は、他の投資商品に比べて情報収集に手間と時間がかかるのと、正しい情報ソースにたどり着ける確率が高くないからです。

特に不動産投資の失敗は金額が大きくなりがちなので注意が必要です。儲からない不動産を買うために借金漬けになってしまった外資系サラリーマン、医師などを複数知っていますが、同じようなことが、情報収集や仕組みの理解が難しい投資商品(デリバティブや暗号通貨など)にも当てはまります。

【参考情報】
 国土交通省から消費者の皆さんへのお知らせ・注意喚起(マンションの悪質勧誘・訪問、アンケート調査等)

資産運用に失敗しやすい背景2 仕事に忙しくてじっくり検討・勉強する時間がない。

失敗しやすい背景の二つ目は時間的な余裕です。高収入・高所得の方は、そもそも仕事が忙しく、仕事が終わって家に帰ってから、じっくり自分の資産運用について考える時間を持てない方も多いようです。

もともと知識もあり、理解力の高い方々なのでしょうが、投資・資産運用に携わる人でなければ素人です。いわゆる「畑違い」の分野をマスターするには、時間と手間がかかります。ましてや、学校の勉強・テストと違って、資産運用は「正解」がどれか分からない、正しい情報がどれか分からないところからスタートです。

営業マンの「人がよさそうだから」「信用できそうだから」という理由で、資産運用に失敗した高額所得者は山ほどいます。特に複雑な投資商品ほど、正しい判断基準を自分で持てるまで、じっくり情報収集できるかどうかは成功と失敗を分けるポイントです。

資産運用に失敗しやすい背景3 投資額が大きくなりがち

失敗しやすい背景の三つ目は、資金的なゆとりがもたらず心の隙です。年収が高い人は、資産運用に回せるお金が大きくなりがちです。もちろん、余剰資金で投資する分には、失敗しても再起不能にはなりませんが、ついつい気が大きくなって、いきなり大きく投資してしまってしまう方もいらっしゃるようです。リスク許容度を超えるほどの大きな金額を使った場合、失敗してしまうと一発で退場することになります。

特にFXや先物での「信用取引」、不動産投資での借り入れ、などいわゆるレバレッジをかけた投資・資産運用というのは、失敗すると大きな損失になりますので余程の注意が必要です。

高額所得者は下手に年収や資産があることから、資金的にも余裕があり、ついつい気が大きくなってレバレッジを大きくかけてしまいがちです。資産運用どころかギャンブルになってしまい、数千万の資産を一気に失うような大きな失敗を犯す方も少なくありません。また不動産投資では借入が問題になります。銀行なども年収が高い人にはお金を貸したがるので、物件の良しあしにかかわらず融資をしてしまうから始末が悪いのです。

さて、ここまで失敗につながりやすい背景をお伝えしましたが、実は失敗にも典型的なパターンが存在します。正しい判断基準を持っていない、レバレッジの掛け過ぎ、余裕のない状態での投資、などは失敗の典型です。実際に資産運用を始める前に、その辺の失敗事例の情報を収集しておくのも有益です。同じような失敗をしないよう、情報収集と知識で理論武装していくことが大切です。

ただでさえ、資金があって、時間がない、という高額所得者は投資商品の営業マンにとってはいいターゲットです。黙っていても営業が押し寄せてきますので、資産運用に失敗しやすい環境が出来上がってしまいます。特に高収入・高所得の方は資産運用に失敗しないよう、注意してください。おなじような失敗パターンを繰り返さないように、投資する前に十分な情報収集をして、判断基準をもって資産運用に挑むようにしましょう。

資産運用ってどのくらい種類があるの?

さて、ここまで資産運用の失敗について触れてきましてが、ここで「資産運用」の種類について情報を整理してみましょう。一般的に「資産運用」というと、次のようなものがあります。メリットデメリットなど、それぞれに特長があります。

(預金)

保有資産を通貨で保有するポジションです。日本国内の預金の利息はほぼ「0%」に近く、持っている資産を大きく増やすことはできませんが流動性という意味では最強です。守りの資産運用であれば大事ですが、攻めの資産運用では使いにくいところです。

預金でリターンを求める場合は外貨預金という資産運用手段もあります。外貨預金とはその名の通り、ドルやユーロなど、外貨で預金を行うことです。外貨預金は「国内預金」とは違い、高い利息が付く点に魅力があります。また、定期預金に切り替えた場合は、利息が高くなります。どちらかというと守りの資産運用の意味もあり、うまく外貨を分散させることで、為替リスクをヘッジすることが可能になります。

また外貨預金の場合、金利以外にも「為替レート」による差益を得られることがあります。たとえば、円高の時に日本円をドルに替えて「外貨預金」をした場合、円安になったタイミングで払い戻しをすれば、預金を増やすことができます。しかし逆に、為替の変動が逆に振れた場合には、損失が発生しますので注意が必要です。

日本国内での預金とは異なり、外貨預金は「預金保護の対象外」となるので注意が必要です。特に、国家のデフォルトなど、国際的「金融危機」が起きると、いくら利息が高くても資産運用どころか、大きな損失につながります。各国の政治や社会情勢の流れをしっかり把握してリスク管理することが重要です。

(金投資)

金(ゴールド)を投資対象にした投資です。純金は世界中で通用する資産であり、世界情勢が不安定になっても「金の価値は下がらない」という点に金取引最大のメリットがあります。資産運用としては最も堅い運用と言えるかもしれません。

金による資産運用は、いくつか種類があります。以下に代表的な「金取引の種類」をまとめてみました。初心者が取り組むのであれば、「純金積み立て」や価格の安い「地金型金貨」の購入が始めやすいと言われています。

・ 純金積立
毎月一定額で、金を少しずつ購入する投資方法で、購入した金は取引会社に預けるのが特徴。月々1,000円から投資できるので初心者向けと言われることもあります。

・ 金ETF
金価格に連動した金の投資信託です。概ね5,000円程度から始められます。手数料も安いので、株の感覚で投資できるのが特徴。

・ 投資信託
金鉱山株に投資を行う方法。金の価格が上昇すれば、金鉱山株が連動して高値となるので利益を生むことができます。

・ 金地金
ゴールドバーと呼ばれる金の延べ棒を購入する方法。 概ね3万円程度から購入できるほか、貴金属店やデパートにて購入できます。ただし金を自己で保有する場合は盗難などに注意が必要です。

・ 地金型金貨
1万円台から購入できる金貨による取引。金貨についても盗難など、保管方法に注意が必要です。発行国や製造年によっては、プレミアム価格が発生することもあり。

・ 金CFD
先物取引と似た「特殊な金取引の方法」で、証拠金によって、1年後など(時期は選択可能)の金購入の約束取り付けるものです。現物取引では無いので、安い証拠金で購入できるのがメリット。買い付け時よりも相場が上がっていれば、多額の利益が得られる(20倍のレバレッジも掛けられる)など、ハイリターンが期待できますが、金相場の思惑が外れた時には多額の損失を抱えるリスクがあるので注意が必要です。

(個人向け国債)

国債とは、国が発行する債券のことで、個人向け国債とは、個人が購入できる国債を意味します。個人向け国債は「1万円」という少額から始められます。国債を所有する者には、一定の利息が支払われるなど安定した利回りが期待出来ます。資産運用としては堅い手法です。

また、満期になると額面の金額が戻ってくるほか、元本割れするリスクも非常に少ないのが特徴です。なお「満期の期間」は3年・5年・10年の三種類あり、利息の受け取りサイクルは半年毎となっています。

個人向け国債のデメリットは、利息が低いことです。銀行預金と変わらない金利なので、大きく資産を増やす目的の資産運用には向いていません。また、換金が可能になるのは最短でも「1年後」になるので、資産の流動性は低いこともネックとなります。

(投資信託)

投資信託とは、資産運用のプロに資産を預けて運用してもらう方法です。投資信託は利益が出ると、投資金に応じた利益が分配されます。投資信託は、アクティブファンドとインデックスファンドの二種類があります。アクティブファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの基準値以上の成績を目指すファンドを指します。これに対し、インデックスファンドは日経平均株価やTOPIXと連動した運用を行います。

アクティブファンドは成功すれば、大きな利益が得られます。その代わりに手数料が高いことや運用担当者の能力によって、基準値以上の利益が出ない可能性もあるので、注意が必要です。

他方、インデックスファンドについても、インデックスが上がっているときは良いのですが、リーマンショックのような大きな変動が起こった場合、大きな損失を抱えるリスクがあります。
なお、投資信託を始める際には、売買手数料のほか一定の信託報酬が掛かってくるなど「運用のコスト」についても考慮する必要があります。

(外貨MMF)

外貨MMFとは、外貨建ての投資信託のことです。外貨MMFでは「信用性が高い」とされる、海外の国債や社債を購入する仕組みを指します。外貨MMFのメリットは、外貨預金よりもリターンが高く「為替手数料」が安いこと。また、為替差益には税金が掛からない点にあります。

一方、外貨MMFにもデメリットがあります。外貨預金と同様に、為替レートが大幅に変動すれば、大きな損失が発生します。

(ETF:上場投資信託)

ETFとは「Exchange Traded Fund」を略したものです。ETF・上場投資信託の大きな特徴は、日経平均株価やTOPIXに連動している点にあり、株の売買同様、指値注文や成行注文が行えます。

少額の資金から始められるほか、投資信託に比べて運用コストが安いのもメリットです。ETFは株式同様、市場が開いている時にはいつでも売買できる上、価格の変動を把握しやすいのも魅力のひとつです。

ETFは投資信託同様、分散投資がしているので既にリスク分散ができており、証券会社を通じた取引が行えるので、初心者の方でも手軽に取り組みやすいのが人気でもあります。

ただし、ETFは比較的ローリスクではありますが、市場の影響を受けること、ETF商品種類によって損失が発生するリスクが発生することは留意しておく必要があります。

(株式投資)

株式投資は、各企業が発行する株式を購入し、売買の価格差によって利益を上げる運用方法です。株式投資で「利益を出す仕組み」は、非常にシンプルです。株式が安い時に購入し、高い時に売ることで利益が出ます。

また既にご存じの方も多いのですが、売買のタイミングで差益を出す以外にも、一部の株式には「株主優待制度」を設けています。(株主優待制度は)株式を所有することで、商品やサービスの配当が得られるなど、嬉しい特典が用意されています。

ただし、初心者がいきなり株式で利益を上げるのは難しく、株式投資のルールや投資手法を知っておかなくては配当金を受け取るのは厳しいかもしれません。また、売買が上手く行かない場合や、株主になっている会社が倒産した場合には「大きな損益」が出るので注意が必要です。

(J-REIT)

REIT(リート)は、Real Estate Investment Trustを略したもので、投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃貸収益などを売買益として投資家に分配する投資商品です。J-REITを通じて投資をすれば、不動産を持っていない方でも家賃収益等が配当金として受け取れます。

J-REITは少額から参加できるほか、複数の物件に投資が行えるのでバランス良く「分散投資」できるのも、大きな魅力と言えます。J-REITは上場しており、運営する会社には役員会や投資主集会があるなど「株式会社」のような仕組みを持っています。そのため、J-REITは通常の不動産売買に比べて売却の手続きも簡単で、難しい手続きは一切必要ありません。

他方、実物不動産に投資するのと違って、融資を受けたり、減価償却費等で節税を狙ったりすることはできません。

(不動産投資)

不動産投資は、所有している不動産をもとに家賃収入を得るほか、売買で利益を出す方法ですが、既に土地や建物をお持ちの方でなくとも、ローンを利用して不動産投資を始めることも可能です。

巷では書籍等の影響で、不動産投資で「不労所得を得たい」というサラリーマンも増えています。実際に、不動産投資に関する書籍や情報は多く、マンションやアパート経営に興味を持つ若者や女性も増えています。

ただし、不動産投資は初心者には難易度が高い運用法です。まず、不動産の立地や価格によって利回りが異なるほか、人口が減少しているエリアでは、家賃収入が安定しないなどデメリットも多いです。

また、築年数の経過によって、建物の価値が大幅に低下する上に、売買を行う場合には換金までに時間が掛かるのもネックと言えます。

不動産売買を始めるときには、不動産についてしっかり学び、徹底した情報収集によって投資基準を持ち、儲かる物件を購入する必要があります。

(FX取引)

FX取引(外国為替取引)とは、外国の通貨を売買し、利益を得る方法です(ここでのFXとは、Foreign Exchangeの略)。扱う通貨はドル、ユーロ、英ポンド、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、香港ドル、南アフリカランドなど、さまざまな外貨が存在し、各通貨間でFX取引が行えます。

また、FXはレバレッジが掛けられるので、預けた資産の何倍もの通貨が買い付けられるという特徴があります。ただし、レベレッジの倍率が大きくなれば、その分損益の幅が大きくなるので注意が必要です。

FXは手軽さを理由に投資・運用の中でも人気が高く、サラリーマンや主婦でもFXで大きな資産を築く人がいます。一方、レバレッジの掛け過ぎで、大きなリスクや損益を抱える危険性もあるので注意が必要です。特にFXでは「急激な為替変動」が起こると多額の損失を生む恐れがあります。損失が証拠金を上回った時点でロスカットが強制され、損失が確定してしまいます。

(先物取引)

先物取引は、金をはじめ、農作物やエネルギー資源などを、将来の価格変動を期待し、売買する仕組みを指します。先物取引では実際の商品や資源はやり取りされません。一定の期間が過ぎれば商品を受け取ることもできますが、多くの場合取引が行われるのはお金だけです。

先物取引では、最初に「商品を買う契約」を行います。これは商品の対価ではありません、将来いくらで売買するのか(数量も含めて)決めておくのです。

そして、約束の期日が来たら、当初約束した条件で売買を行います。現時点での取り決め価格や条件によって「売買差益」が生まれ、先物取引で資産を運用ができるのです。

先物取引は「買い」からスタートすることも、「売り」からスタートすることもできます。先物取引には証拠金が必要になりますが、先物取引でもレバレッジを掛けることが出来ます。ただし、レバレッジの掛け過ぎは見込みが外れた場合に大きな損益を生じされるので、一定の注意が必要です。

(まとめ)自分に合った投資商品を選ぶこと

ここまで、代表的な資産の運用商品について解説しました。結構な種類がありますが、やはりメリット・デメリットもそれぞれ異なりますので、自分の要望にあった投資商品を選ぶのがポイントです。

さて、ここで気になるのが「どういう失敗が起こりえるか」ではないでしょうか。色々な失敗体験談を読み込んでいくと、いくつか典型的な失敗パターンがあることが分かります。以下では、資産の運用における典型的な失敗例をまとめてみました。

資産の運用で失敗するのはこんなケース(FXでの失敗)

FXで失敗した体験談はネット上でも多くの記述があります。魅力の多いFXですが、リスクを十分に認識しておかなければ、一瞬で資金を失ってしまう可能性もあります。ここでは具体的に初心者がやりがちな失敗を2つ紹介します。

失敗1 レバレッジをかけすぎた

自己資金の最大25倍までレバレッジをかけられるのは、FX取引の大きな魅力です。株式投資の信用取引のレバレッジ上限が約3倍であるのと比べると、いかにFXのレバレッジがすごいかが分かると思います。

ギャンブル性を求める人、一発逆転を求める人にとって、4万円の自己資金で100万円の取引ができるFXは、非常に魅力的な投資方法だと感じる人が多いかもしれません。

しかし、レバレッジをかけすぎると、その分、逆に損失も大きくなります。大きくもうけられる可能性があるということは、大きく損をする可能性もあるということだ。この事実をよく認識し、最初はせいぜい2倍ぐらいのレバレッジからトレードをスタートすることが望ましいと思います。

実際、FXの失敗体験記を読むと、レバレッジをかけすぎて、わずかな負けで一気に資金が枯渇(もしくは借金が残る)してしまった方が多いようです。

失敗2 強制ロスカットされてしまう

FXには、投資家を守るため、強制ロスカットという仕組みが設けられています。強制ロスカットとは、評価損が一定以上になったとき、システム上強制的にすべてのポジションが決済されてしまうことをいいます。

強制ロスカットは、FX会社が定める証拠金維持率を下回った場合に実行されます。そのため、証拠金維持率を下回らないように、注意して見ておくことが大切です。また、レバレッジをかけすぎないことも、強制ロスカットを防ぐうえで効果的です。

資産の運用で失敗するのはこんなケース(株式投資での失敗)

株式投資は、短期投資、長期投資など、投資スタンスによってさまざまな手法があります。巷の株の失敗談を見ると、次のようなケースで失敗している方が多いようです。

失敗1 資産がない状態で信用取引をしてしまった

信用取引は資産が少ない状態でも大きなリターンを得られる取引ではありますが、資産が少ない状態では発生した損失や追証を支払うことができなくなる可能性があります。

一番大きく失敗するのは、まさにこのケースです。株式で借金をするほどの大損をしてしまったという話があれば、十分な資産がない状態で信用取引をしたからであると考えていいでしょう。資産がない状態で、信用取引をおこなうことは最も借金をする大損につながってしまう危険な取引方法です

短期間で大きく儲けたい、という願望が大きな失敗に結びついてしまうことになります。これは、FXや先物取引にも該当しますが、特にキャピタルゲインを狙う運用については自分のリスク許容度をよく理解することが大前提。自分の余裕資産でおこなうのが一番望ましく、借金をしてまで投資をするのは資産の運用ではなくギャンブルに近いものであると認識することをおススメします。

失敗2 ひとつの銘柄に集中させてしまった

株式で大損しないためには、複数の投資先に資産を分散させることが大事です。銘柄が一つだけだと、ちょっとした環境変化や、不祥事、災害、テロなどによって株価が大きく値下がりすることもあります。

投資の世界では、よく「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。ひとつのカゴに卵をすべて盛ってしまうと、カゴが駄目になったときにすべての卵が割れてしまいます。しかし、複数のカゴに卵を盛れば、1つのカゴが駄目になっても、残りのカゴの卵は無事になります。

資産の運用、特に株式投資で成功したいと思うのであれば、分散投資は必須とお考えいただく方がよいかと思います。

失敗3 短期売買(デイトレード)で取引にはまってしまった

実は、短期売買も大損のリスクを高める取引の方法の一つです。株式は1日で売買を確定させるデイトレードという取引の手法があります。1日で売買を確定させる必要があるため、損切をし続ける状況になれば、損失が芋づる式に増える場合もあります。

また、株式市場では、機関投資家というプロの投資家が存在します。多額の資金を武器にデイトレードを繰り返している実情があります。つまり、競争相手は多額の資産を持った投資のプロということで、資産も少なく投資経験も少ない個人投資家が勝っていくのは難しい現実があります。

短期売買は成功するとリターンが大きいのですが、毎日勝ち続けるのは難しいものです。初心者は短期売買ではなく長期投資を考えて投資をしたほうが無難と言われています。

失敗4 損切のルールを決めていなかった

株式で大損しないためには損切のルールを決めておくことが不可欠です。損切りができず、投資資金をなくして、株式市場から撤退する人が大勢います。

株式投資の世界でなぜ損切りが重要かというと、株価は常に変動し、損をすることもあれば利益を上げることもあるからです。損失の許容範囲を超えたときに損切ができずに売却が遅くなったり、上がる見込みのない株式を塩漬けにしてしまったりといったことも、投資初心者に多い失敗ケースです。

株式は際限なく株価が下がることもあるので、損失の許容範囲をあらかじめ決めておくことは重要です。

資産の運用で失敗するのはこんなケース(不動産投資での失敗)

失敗1 物件の買い方を間違っている。

不動産投資で取り返しがきかない失敗が「購入」です。不動産は一旦買ってしまうと後戻りはできません。失敗する不動産の買い方には、いくつかパターンがありますが、多くのケースで物件を高値掴みしています。きちんと利益・キャッシュフローが出る水準で不動産を購入できていない、ということです。

物件を高く買ってしまうと、ローン返済額が大きくなってしまいます。そうするとキャッシュフローが極めて圧迫される結果になります。後述しますが、家賃の下落、空室期間の長期化、急な修繕の発生、などですぐに経営が苦しくなってしまうのです。

失敗2 物件の市場価値を見誤っている

次に致命的なのが、物件の価値を適正に評価できないこと。これも少なくない人が陥っているところですが、失敗する人の多くが、その物件の資産価値ではなく利回りを見て物件を購入しています。つまり、失敗する人は、利回りだけは良い「難あり物件」を割高で買わされていることがあります。

例えば、2020年の市況で「利回り10%以上」と言われると一見して良い物件に聞こえますが、築年数や構造、エリアなどの条件によって、良いか悪いかの判断は大きく異なります。

仮に、利回り10%で5000万円の物件を購入したとしても、いざ市場に売却に出してみると4000万でしか売れない、なんてことはザラにあります。この場合は相場よりも1000万円も高値掴みしたということです。

築の古い割高な物件を、金利が高い金融機関で借りてしまうのが典型的な失敗です。割高な物件を買ってしまうと、売却するときに苦労します。物件を売っても残債務を完済できない状況になれば、売却することさえ難しくなってしまうのです。

失敗3 収支シミュレーションができていない

(家賃収入の読みを誤ってしまう)
よくある不動産投資の失敗エピソードの中には、家賃の下落というのもよく出てきます。購入時にシミュレーションを行う人がほとんどだと思いますが、賃料の読みが甘いことがあります。不動産会社の提示してくる想定賃料をそのまま鵜呑みにしてしまっている人も多いようです。

一般的に言って、築年数の経過とともに取れる賃料は落ちていきます。そして、賃借人が出ていくごとに家賃を下げないと新しい賃借が決まらないということも多くなります。もし収益性の乏しい物件を購入した場合には、家賃下落は一気にキャッシュフローを痛めてしまいます。

正確な想定賃料を算出するには、近隣の家賃相場を調べることはもちろん、対象物件よりも築年数が古い近隣物件で、どれくらいの家賃を取れているのかも調べてみるのが有効です。

(空室リスクや維持費の想定が甘い)

不動産オーナーを悩ませるのが「空室問題」。これも前述の「想定賃料」と同じですが、空室リスクや維持費の想定が甘いことも多々あります。空室の間は収入がゼロでローンの返済だけが発生します。

維持費も同様で、物件が古くなれば相応の修繕費が必要になります。設備の故障などが重なり後から100万円単位の修繕が発生してしまった事例もよく耳にします。

資産の運用で失敗するのはこんなケース(外貨預金での失敗)

次に、外貨預金においてよく見られる失敗例のうち、特に初心者が陥りがちなパターンについて見てみましょう。

失敗1 為替相場の動きを確認していない

外貨預金を始める際には、自分が選ぶ通貨と円との交換レートがそれまでにどういった推移を示してきたのかを確認しておくことが欠かせません。

為替差益というメリットに注目して始めたつもりが、まんまと為替で損してしまう。中長期的に為替相場は上がったり下がったりのサイクルを描いて推移しています。過去の推移を見渡しながら、今後の動きを予想したうえで外貨預金を始めるのがよいでしょう。

為替相場の推移や、米国の利上げ、利下げ等、為替に影響しそうなニュースを把握していなかった場合はもちろん、自分の予想が外れた場合も同じような結果を辿ります。

失敗2 使途や使用時期が決まっているお金を預金してしまう

国内の預金の場合はそれほど問題になりませんが、外貨預金の場合、使途・使用時期が決まっている資金は思わぬ落とし穴になることがあります。たとえば外貨定期預金に資金を預けて満期時にその通貨に対して円高が進んでいた場合、為替差損になってしまいます。円預金よりも金利の高い通貨を選んだとしても、その利息を上回る損失を被るケースもあります。

この場合、換金せずに継続運用するという手もあります。しかし、使途や使用時期が決まっているお金を預けていると、解約せざるをえず、継続運用という選択が取れないケースも出てきます。そのため、外貨預金は余裕資金を預けるのが基本方針と言えるでしょう。余裕資金とは、特に使途や使用時期が決まっていないお金のことです。

資産の運用・投資の失敗 パターンを学んで繰り返さない

投資商品ごとに違いがあることもありますが、レバレッジの掛け過ぎ、余裕のない状態での投資の失敗など、共通することもあります。同じような失敗をしないよう、情報収集と知識で理論武装していくことが大切です。

今回ご紹介した失敗パターンを繰り返さないように、投資する前に十分な情報収集をして、判断基準をもって資産を運用していただきたいと思います。

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2K-online事務局

主に日本国内で活動する投資アドバイザー。宅地建物取引士。税理士法人を母体とするコンサルティングファームにて約10年勤務。相続税対策としての不動産活用と、資産形成のための不動産活用が得意分野。2013年から独立し、クローズドの会員組織(階層別)を設立・運営。